イベント「みんなのデザイン研究所 #03 – Adobe MAX 2025特集」に参加しました

2025年12月14日(日)に、宮崎市で開催された「みんなのデザイン研究所 #03 – Adobe MAX 2025特集」というイベントに参加してきました。
宮崎市内でのリアルイベントということで、直接Adobeの最新情報や技術をご紹介いただける貴重な機会。
今回は、まなびとのデザイナー2名でイベントに参加した感想などをレポートにまとめてみました。
イベントについて
今回のイベントは、Adobe Community Expertである黒葛原 道さんのコミュニティ「みんなの学校」主催のセミナーイベントで、「10月にLAで開催されたAdobe MAX 2025で発表された最新アップデートの総まとめ」というテーマでした。
今年の新機能を効率よくキャッチアップしたい方におすすめの内容とのことで、情報を見つけた時は「宮崎でこういうセミナーイベントがあるなんて有り難い!」とすぐに申し込みをしました。
ちなみに会場は、最近宮崎市に新しくできた「新公民館VOL」という施設。初めてお邪魔するため、どんな所なのかも楽しみに参加しました。

セッション1:Adobe MAX 2025で進化を遂げたAdobe Firefly Web版で広がるクリエイティブの可能性<文:迫(千)>
こちらのセッションは、アドビ株式会社マーケティングマネージャーの轟 啓介さんが登壇されました。
Adobeの生成AI技術「Adobe Firefly」の最新情報や技術について実際にデモンストレーションを交えながら説明されたのですが、これまで以上に精度が向上し、より緻密な生成が可能になっていることに驚きました!
中でもオリジナルでFireflyモデルが作成できる、というお話がとても興味深く、例えば実在するオブジェクト(製品)を色んな角度から画像などで取り込み学習させることで自分専用のモデルができ、それをプロンプトで生成データに取り入れることが可能とのこと。
使いこなせれば、これまでは商材のイメージカットを実際に試行錯誤しながらたくさん準備し何枚も何パターンも撮影していたという手間が、生成AIによって簡単に短時間で効率よくハイクオリティにできちゃう、という画期的な技術!
実際に工数をかけてお客様の商材イメージを撮影する案件もあるので、是非とも活用したい機能だなと感じました。(もちろん、生成の際に商品画像が崩れたり実物と違ったりしてしまう、という事故も少なくないので、十分に注意したいところです)
また、生成AIは画像の生成だけではなく動画編集に大いにに活用することができ、例えば音楽や効果音などの生成はもちろん、人が喋っている動画を翻訳させて翻訳後の言語に口の動きを合わせて動画生成ができる、とのこと。
とんでもない進化に、もはや恐ろしささえ感じてしまいますが…
「AIは一見すると人の仕事を奪うように感じるかもしれないが、これまでの簡単な単純作業を補ってくれる優秀なアシスタントであり、その分クリエイターはアイディアなどに時間を使えるようになる」と轟さんも仰っていました。
私自身もそう考えており、だからこそAI機能を恐れずに色々試しながら楽しんで使っていきたいなと思いました。
セッション2:アドビのビデオ製品はここまで進化をしている! Premiere & After Effects ベータ版の新機能をまとめてチェック<文:後藤>

次のセッションは、宮崎情報ビジネス専門学校の教員でAdobeのPremiereやAfter Effectsなどの映像関係と、Webデザインを教えている岡本 伸吾さんが登壇されました。
Adobe PremiereとAdobe After Effectsのベータ版新機能についての最新情報を、次々と紹介されていました。とても盛りだくさんの内容だったので、印象に残ったものをいくつかまとめました。
まず、Adobe Premiereについては、Adobe Firefly(生成AI)との連携が可能になったため、 Web版のFireflyで生成した素材をダウンロードせずに直接Premiereへ送信できるようになったとのこと。
そして、動画素材が必要な場合、Media Intelligenceという機能を使うと、例えば「太陽」などのざっくりとしたキーワードを検索するだけで動画素材の候補を見つけてくれたり、特定のシーンに似た映像を探し出してくれたりと、これまで苦労していた素材探しの時間が短縮されるとのことで、画期的な進化を感じました。
また、オーディオ編集で不適切な単語や機密情報をテキストベースで検出し、タイムライン全体から一括で「ピー音(ブリープ)」を入れたりミュート処理を行ったりすることが可能になるとのことで、こちらも編集の手間が大幅に減りそうだと思いました!
他にも、iPhone版Premiereでラフ編集を行い、そのままデスクトップ版に送って続きを編集できるようになった点も紹介されており、流れを止めずに作業ができるのは大きなメリットだと感じました。
全体を通して、最新アップデートは「探す手間を減らす」「AIに任せられる作業は任せる」という方向性が非常に強く、特に映像内容の検索は膨大な素材を扱う現場ではありがたい機能になりそうです。

After Effectsについては、私自身はまだ使ったことのないソフトでしたが、今まで別の専用ソフトを使わないとできなかった複雑な3D作業が、今後はAfter Effectsの中だけで簡単に完結できるようになるというお話を聞き、3D表現がぐっとやりやすくなったという印象を受けました。
AIによる自動化と3Dワークフローの進化が凄まじく、作業効率が劇的に変わりそうです。
セッション3:Photoshop 最新アップデート解説 — 生成AIで変わる“クリエイティブのこれから”<文:後藤>
こちらのセッションは黒葛原 道さんが登壇され、Adobe Photoshopの最新アップデート情報について「生成アップスケール」「調和」「Nano Banana」の3つをご紹介されました。
まず、「生成アップスケール」とは低解像度の画像を自然な仕上がりで拡大・高画質化する機能で、例えば画像素材のデータが荒くてそのままじゃ使用できない場合など、簡単に画質を向上できるとのこと。こちらの機能は普段の業務にも、早速活用できそうでした。
次に、「調和」とは異なる環境で撮影された2枚の画像を合成する際、AIが背景と被写体の色味、明るさ、光、影を一瞬で馴染ませる機能のこと。例えば、商品画像を持ってきて背景の景色に重ねたい時、自然に馴染ませることができて本当にその場にあるように見せることができるそうです。

作例では、オフィス街の背景にスニーカーを配置して、自然な影や光の当たり方に見える仕上がりになりました。素材同士を馴染ませたいときに非常に便利だと感じました。
そして、最新AIモデル「Nano Banana」のご紹介。Nano Bananaとは、Googleが開発した高性能な画像生成AI「Gemini 2.5 Flash Image」の通称で、Adobeにパートナーモデルとして統合されました。
Nano Bananaの特徴は元画像を維持した生成が得意ということで、実際にプロンプトを入れて画像生成を行うデモンストレーションをたくさん見せていただきました。

モデルの服の色を変えたり、モックアップでラベルをパッケージに貼り付け自然に見せたり、バストトップの写真から全身を生成したりと、こんなに自然に生成されるのかと驚きました!
遊び心ある作例を見せていただいたことで、自分でも色々と試してみたいと思いました。
これまで時間をかけて合成や画像補正などを行っていた作業が生成AI機能を使うことでより簡単に短時間でできるようになり、「もっとあんなことやこんなこともできるのでは?!」とアイディアが膨らみ、ワクワクしてくる楽しいセッションでした。
最後にお楽しみのプレゼントコーナー

登壇者の皆さまの貴重なお話の後は、お楽しみのプレゼントコーナー。今回は黒葛原さんとのじゃんけんで勝ち抜いた人がプレゼントをいただけるというルール。
なんと、Adobe提供のオリジナルグッズや、黒葛原さん持ち込みのレアグッズなど、どれも豪華なプレゼント!
これは絶対にゲットしたい、と2人して意気込んで参加しました。

結果、何回かジャンケンに勝ち抜くことができ、いくつか記念品をいただくことができました!
素敵なお土産まで本当にありがとうございました。
イベントに参加しての感想
迫(千)
改めて、今回宮崎市でのAdobe MAXのイベントに参加することができ、大変貴重な機会となりました。
なかなか地方ではこのようなイベントが行われることも多くないため、今回参加させていただけたことで良い刺激となり、日々の業務でももっと生成AI機能を活用していきたいと感じました。
最新技術が発表になると、知らないから怖い、難しそう…と身構えてしまうこともありますが、このようなイベントで実際にどのように活用していけるのか、どんな考えをもって向き合っていけば良いのか先輩方のお話を伺うことができると本当に心強く、モチベーションも上がるなぁとつくづく思います。
これまで以上に楽しみながらデザインのお仕事に向き合いたいと感じました。
主催者さま、スタッフの皆さま、関係者の皆さま、どうもありがとうございました!
後藤
今回のイベントは、実は私にとって初めての「Adobe MAX」でした。参加する前は、「プロの人ばかりで内容が難しかったらどうしよう…」「自分に理解できるのかな?」と、正直かなり恐る恐るの参加でした。
一番大きな収穫は、今使っているソフトが「想像以上に使いやすく、便利に進化している!」と知ったことです。
難しい操作を覚えることばかりがアップデートだと思っていましたが、実際は逆でした。「もっと楽に、もっと直感的に」できるようになっていて、これなら自分の業務でも「もっとこんなことができるかも!」「あんな表現もやってみたい!」と、どんどんアイディアが湧いてくる、本当に楽しい時間でした。
これまでAI機能と聞くと、「使いこなすのが難しそう」「自分にはまだ早いかな」と、どこかハードルの高さを感じていました。
でも、今回のセミナーを見て気づいたのは、AIは決して難しいものではなく、これまで手間取っていた作業をショートカットしてくれる「相棒」だということです。
「時間がかかるルーチン」をAIがパッと解決してくれる。その分、自分はもっと「どんな作品を作りたいか」という楽しい部分に時間を使えるんだ!と分かってからは、早く実際の業務で使ってみたくてウズウズしています。
これからも、進化した機能をどんどん味方につけて、楽しみながらクリエイティブに向き合っていきたいと思います!





